
読まずに寝れるか!「宇宙の卵」
「宇宙の卵」程野力丸
いやあ、なかなか凄まじい漫画でした。フィリピンのゴミの中で暮らす日本人の少年。希望も未来も何もない絶望と諦観の中で生きてるのですが、ある日何かの卵を拾います。その卵を割ると、そこから黒い何かが一気に拡散し、気を失います。目が覚めたら、世界が変わっていました。それも最悪の方向に。
人が簡単に死にます。けれど、謎を解こうとする少年の真摯な気持ちが胸を打つし、彼を支える反政府の青年にも心を打たれます。事実の検証を積み重ね、遂に謎を解く姿は、おぞましく残虐な漫画でありながら、読者を引き込みます。そういう意味では、「チ。」とも共通しているかな。
こういう漫画がポンと出てきて、少年誌(「ジャンプ+」)に掲載されるあたりが、日本の漫画文化の凄みであり、文学性だなと思う次第です。
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