キング・クリムゾン『クリムゾン・キングの宮殿』(1969年)
音楽史上最も影響力のあるプログレッシヴ・ロック・アルバムのひとつであるこのキング・クリムゾンのデビュー作は、メロトロンをフル活用してジャズやクラシック・ロックの要素を混ぜ合わせることで、60年代後半の英国ロックで主流だったブルース調の傾向を避け、サイケデリアを今までにないほど暗い領域に引き込んだ。「キング・クリムゾンは一部の人から尊大であると非難されるだろう」と、ローリングストーン誌のジョン・モースランドは当時こう記していた。「だが、そういった批判は実に不当だ。彼らはエネルギーと独創性を持ったシュールな作品を創作するために、あらゆる音楽スタイルの要素を組み合わせたのだ」。ギタリストのロバート・フリップとマルチプレイヤーのイアン・マクドナルドが壮大なサウンドを大量に積み重ね、ベーシストのグレッグ・レイクが刺激的で不吉な歌詞を単調に唱えながら歌うのが特徴である、勢いの衰えないオープニング曲「21世紀のスキッツォイド・マン」や記憶に残りやすい「エピタフ」、厳かな雰囲気のあるクロージング曲「クリムゾン・キングの宮殿」などの曲は、来たるべきプログレ革命の基本方針とスタイルを確立させた。by D.E.
#キングクリムゾン
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