なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?
みなさん、「デンマーク」と聞いて何をイメージしますか?
ヨーロッパ・ドイツのすぐ上に隣接し「北欧」と呼ばれる地域に位置するこの国は、あまり私たちと関わりがないように思われますが、実は、あの童話作家「アンデルセン」を産んだ国。海岸には、童話「人魚姫」の銅像が立つロマンチックな国なんだとか。そして世界的に愛されているブロックパズル「レゴ」を生んだ国なんです。
なんだか、身近に感じてきたところで…ある興味深いデータがあるのです。
「世界幸せ度ランキング」でデンマークは2013、2014年、そして昨年の2016年にも1位で常に上位!(ちなみに日本は昨年46位…)「貧困率の少なさランキング」でも何年も1位を獲得!アンデルセン童話で描かれる、経済的に恵まれない少女を描いた、あの『マッチ売りの少女』の世界観とはまるで今は違っている…!
そんな世界一幸せな国の人々が大事にするのは、身につける洋服や食べ物ではなく、生活が便利になるような家電でもありません。それはなんと「家具」なんだということです。皆さんご存知の”北欧家具”に代表されるように、家具自体のクオリティが実に高いということからそれがよくわかります。それにはちゃんとした理由があるんです。今回はそんな家具を大切にするデンマーク人のライフスタイルをテーマに描いた本を紹介します。
「なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?」
初任給でイスを買う!?
待ちに待った初任給、日本では服を買ったり、親へのプレゼントや趣味のものに使ったり。まさか最初の給料でイスを買うことは考えにも及びません。でもこの本を読めばそのことに納得させられてしまいました。日本ではイスは単なる生活道具としてとらえていることがほとんどですが、デンマークの人にとって、「イス=場所」。
つまり、時間とお金をかけるべきの「大切な場所」と考えられているのです。日本では大半の家具や家電は数年すれば買い替えるのが常識。傷んでしまえば、もう何年も使ったからそろそろ新しいのを買おう、というのが当たり前かのようにありますが、デンマークでは数十年をも見越して買うのだそうです。それはまるで理想のパートナーを見つけるかのように、お金と労力をかけて選んでいきます。
「何十年先まで使える家具を買う。」
この発想が「イス=場所」という価値観を生み出すのです。そんな数十年を見越して買った家具が故に、家具が数年後にたとえ傷がついたとしても、傷を隠すという発想ではなく、この傷をどう残すのかと考える。傷ついたのもその物の「味」ととらえるんですね。たしかに、物を綺麗な状態を保つことよりも、年月とともにどう活かしていくのか、と考えたほうが生活が豊かになるでしょうし、物も最大限に使うことができるかもしれません。そこには”モノを大切にする”というごく当たり前の考えもあるのですね。
ところで、みなさんの自宅の玄関にはイスが置いてますか?
というのも、北欧の玄関には必ずイスが置いてあると本書で語られます。ちなみにイスといっても大きなイスではなく、少し腰掛けだけするような背もたれのない、小さな丸イスのようなものです。これならば狭い玄関にも置くことができるでしょうね。ブーツや革靴を立ったまま履いたり脱いだりするのが大変なのは経験があると思いますが、このイスはそれを解消するためのもので、主にはお客様を招いたときへのおもてなしの一つなんだそうです。なるほど。納得です。
おもてなしの心に長けているとされる日本ですが、こういう文化は一般的にはありませんね。家の顔とも呼べる玄関をイスひとつでおもてなしの空間に変える、そんな北欧文化を取り入れてみるのも面白いかもしれません。
「自分が普段過ごす空間の質が、自分の人生の質も決める。」
毎日、仕事が終わって帰るのが楽しみになるような家にしたい、人生が充実させたいという方にぜひオススメの一冊です!
なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?人生を好転させる「空間」の活かし方/きずな出版
著者:小澤 良介
転載元:Men’s OKINAWA SOUTHERN STYLE
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