抹消された世界遺産〜『ドレスデン・エルベ渓谷』
写真は、
車窓から眺める
「ドレスデン」
チェコ「プラハ」
スロバキア「ブラチスラバ」
経由で
ハンガリー「ブダペスト」
約9時間の鉄道の旅です。
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世界遺産
『ドレスデン・エルベ渓谷』は
ドイツ東部のザクセン州の州都として
エルベ川の谷間に位置する都市
『ドレスデンの中心街周辺』
さらに、
チェコとポーランドの国境付近にある
山を水源として北海に流れていく
エルベ川の中でも上流域にあたる
『エルベ渓谷』の
かなり広い範囲の渓谷において、
2004年に登録されました。
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ドレスデンは、
ザクセン選帝侯国の首都であった時代には
美しい都市であり、
18~19世紀の建造物などが今も残っています。
この古都ドレスデンは、
ヨーロッパで初めて作られた磁器
「マイセン」発祥の地としても知られています。
第二次世界大戦による大空襲で
大きな打撃を受けたものの、
人々の熱意によって
重厚なバロック建築を中心とした
美しい街並みを復活させ、
今では多くの観光客で賑わっています。
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【世界遺産の登録抹消】
エルベ川にかかる
「ヴァルトシュレスヒェン橋」の建設が計画され、
実行されると景観が損なわれると
判断したユネスコの世界遺産委員会は、
2006年に危機遺産リストに登録しました。
この近代的な橋の建設が始まったため、
2009年に世界遺産リストから削除されました。
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世界遺産に登録されたものの、
後に抹消された例は、
オマーンの「アラビアオリックスの保護区」に続き、
ドレスデンが2件目でした。
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そこには、
止むに止まれぬ理由が…
ドレスデンでは中心街周辺での渋滞がひどく、
それは社会問題となっていました。
そのため、住民の利便性を第一優先とした結果、
橋を建設することになったのです。
住民投票の結果は、
半数以上の市民が
建設に賛成したということでした。
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