トンネルとその向こう側
大阪発湖西線経由富山行き
サンダーバード号。
京都駅を出て
弁当を食べ始めると
ほどなくして右手に
琵琶湖がやって来る。
来た、来た、来たゾォ!
学生時代から実家に向かう
唯一の楽しみは、
車窓脇にビールを置き、
広がる景色を眺めながら、
弁当を食うことだった。
敦賀まで約15分。
飛び込んでくる風景は
切り取ってしまいたいくらい
ボクをトリコにする。
おびただしい数のトンネル。
その数だけいくつもの
心揺さぶるシーンが。
気分はリラックスで、
景色はデラックスって感じかな。
トンネルがある分、
垣間見る景色は印象的で、
芝居の暗転あとのシーンを
一人占めするようで、
ワクワクさせられた。
オォッ!と
胸を弾ませたかと思うと、
アッという間に暗闇に入り、
ジャジャ~ンと、
また、違う舞台が展開する。
トンネルを抜け、
次のトンネルがやってくる間の
一瞬の輝き。
この輝きに誘われ、
ボクは幾度となく、
その町に降りたくなる。
しかしながら、ザンネン!
特急が停まる駅はない。
だから、ここ何て駅?
あぁ~、あの店いいな!
あの神社も…ってな具合に
必死に目を凝らすが、
読み取れないまま、
また、トンネルに入ってゆく。
でもなぁ。
よくよく考えると、
この素敵なワンシーンが
ずっと続くとしたら、
そんなにも興味を
持たなかったかもしれない。
・なかなか暴けない「輝き」。
・必ず抜けるという
トンネルの「約束」。
・見渡せる橋とは違う
NEXTへの「期待」。
・いくつもの「トンネル」。
京都から敦賀まで、
ボクはここを通るたびに
想いを巡らせる。
冬景色は最近のもの。
他は数年前のもの。
次はいつ、通るかな?!
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