あぁー、ボクの「だいこん寿司物語」
ひとたび口に運べば、麹が放つまるくて、あまく、やわらかい、ふっくらとした薫りが鼻先をかすめ、どれどれ、おぉっ、そうくるか、といいたくなる、大根、ニシン、麹の絶妙に主張し合う味の響きが、ボクの心の佇まいを惑わす。
「だいこん寿司」とも「ニシン寿司」ともいい、ふるさと金沢の伝統的発酵食品だ。ボクはばぁちゃんの作った「ニシン寿司」が忘れられない。
ブツ切りしただけの豪快な大根を必死でシャキシャキさせ、その合間にでかいニシンが割り込む。かぐわしい麹がさらに食欲をそそり、食べ進むのが勿体ない、と思えて仕方なかった、ばぁちゃんの味を、誰も受け継げなかったことを思い出した。
そんな子どもの頃の記憶が蘇った逸品に、宮崎の百貨店で出会ったのだった。
コメント
コメント ( 2 )
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だいこん寿司知らない。
けど
思い出物語の
だいこん寿司に出会えて良かったですね❣️
ありがとうございます。本当に美味しいんです。ばぁちゃんのは、食べたあと、歯が痛くなったけど、止まらない、やめられない、って感じでした。東北や北海道にもきっと、あるんじゃないかな。